Language Knowledge — Vocabulary
言語知識(文字・語彙) 制限時間の目安 30分
問題1 __のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
1 彼は会社の乗っ取りを企てた 。
正解 ② 「企てる」は「くわだてる」。同じ漢字でも「企む(たくらむ)」とは読み分ける。
2 技術の進歩は著しく 、数年で状況が一変した。
① いちじるしく ② はなはだしく ③ めざましく ④ おびただしく 正解 ① 「著しい」は「いちじるしい」。
3 資材の不足で工事が滞って いる。
正解 ③ 「滞る」は「とどこおる」。物事が順調に進まない意。
4 最高裁は一審の判決を覆した 。
① くりかえした ② ひるがえした ③ くつがえした ④ おおいかぶした 正解 ③ 「覆す」は「くつがえす」。
5 長い時間をかけて信頼関係を培う 。
正解 ② 「培う」は「つちかう」。
6 判断を誤れば深刻な事態に陥る 。
正解 ③ 「陥る」は「おちいる」。「陥れる(おとしいれる)」と区別。
問題2 ( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
7 厳しい交渉の末、両社はようやく( )に達した。
正解 ② 「〜に達する」と結びつくのは「合意」。
8 彼の説明は( )を欠いており、結論が二転三転して理解しにくい。
正解 ① 主張がぶれない性質は「一貫性」。
9 景気の先行きが( )で、企業は設備投資に慎重になっている。
正解 ③ 「先行きが不透明」が定型表現。
10 環境政策をめぐっては、専門家の間でも意見が鋭く( )している。
正解 ③ 「意見が対立する」が自然。
11 彼女は周囲の反対を( )、単身での起業に踏み切った。
正解 ③ 反対を無視して強行する意は「押し切る」。
12 十年に及ぶ地道な研究が( )を結び、新薬の開発に成功した。
正解 ① 慣用句「実を結ぶ」=努力が成果になる。
13 いくら説明されても、その点だけはどうも( )としない。
正解 ② 「釈然としない」=疑問・不満が解消されない。
問題3 __のことばに意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
14 同じ話を何度もして、彼の説明はくどい 。
正解 ② 「くどい」=しつこい・くり返しが多い。
15 資金繰りが悪化し、その計画は頓挫 した。
① 完成した ② 延期された ③ 行き詰まって中断した ④ 順調に進んだ 正解 ③ 「頓挫」=途中で行き詰まってだめになること。
16 飛んできたボールを彼はとっさに 避けた。
正解 ② 「とっさに」=瞬間的に・反射的に。
17 この案件は権利関係が複雑で、なかなか厄介 だ。
正解 ③ 「厄介」=手間がかかって面倒。
18 確認もせずに発言したのは軽率 だった。
① 慎重だった ② 軽はずみだった ③ 大胆だった ④ 失礼だった 正解 ② 「軽率」=よく考えず軽はずみなこと。
19 価格をめぐって交渉は難航 している。
① 順調に進んでいる ② なかなか進まない ③ 中止されている ④ 始まったばかりだ 正解 ② 「難航」=物事がなかなか進まないこと。
問題4 つぎのことばの使い方として最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
20 あいにく
① あいにく、本人は外出しております。 ② あいにく、今日は天気が良くて気持ちがいい。 ③ あいにく、試験に合格できてうれしい。 ④ あいにく、彼に会えて運が良かった。 正解 ① 「あいにく」は期待に反して都合が悪いときに使う。
21 もはや
① もはや明日から夏休みが始まる。 ② 事ここに至っては、もはや手遅れだ。 ③ もはや三時になったので帰ろう。 ④ もはや子供のころの懐かしい話だ。 正解 ② 「もはや」=今となってはもう。否定的・限界の文脈で使う。
22 めきめき
① 雨がめきめき強く降ってきた。 ② 彼の腕前はめきめき上達した。 ③ 部屋がめきめき散らかっている。 ④ 一日中めきめき疲れている。 正解 ② 「めきめき」=進歩・回復が目立って著しいさま。
23 営む
① 駅前で小さな飲食店を営んでいる。 ② 趣味で油絵を営んでいる。 ③ 健康を営むために毎日走る。 ④ 彼とは長く友情を営んでいる。 正解 ① 「営む」は事業・生活などを行う・経営する意。
24 紛らわしい
① 机の上が紛らわしくて片付かない。 ② この二つの語は意味が似ていて紛らわしい。 ③ 渋滞で道が紛らわしくなった。 ④ 気持ちが紛らわしくて集中できない。 正解 ② 「紛らわしい」=よく似ていて混同しやすい。
25 丹念
① 一点一点、丹念に資料を調べ上げた。 ② 丹念に走って一位になった。 ③ 彼は丹念な性格で怒りっぽい。 ④ 丹念に大きな声で歌った。 正解 ① 「丹念」=細かいところまで念入りに行うさま。
Language Knowledge — Grammar
言語知識(文法) 制限時間の目安 25分
問題5 つぎの文の( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
26 この難問は、その道の専門家( )容易には解決できないだろう。
正解 ② 「〜をもってしても」=〜という優れた手段・力をもってしても。
27 彼の悲惨な境遇を思うと、同情の念を( )。
① 禁じかねる ② 余儀なくする ③ 禁じ得ない ④ 抑えかねない 正解 ③ 「〜を禁じ得ない」=(感情を)抑えられない。
28 一度引き受けた( )、途中で投げ出すわけにはいかない。
正解 ④ 「〜以上(は)」=〜したからには。
29 このプロジェクトの成功は、チーム全員の努力( )。
① のいたりだ ② あってのものだ ③ にすぎない ④ ならではだ 正解 ② 「〜あってのものだ」=〜があってこそ成り立つ。
30 入社一年目( )、彼の対応は実に的確だった。
正解 ③ 「〜にしては」=〜という基準から予想される程度と違って。
31 締め切りが目前に迫っている( )、彼はまだ手をつけていない。
正解 ① 「〜というのに」=〜なのに(意外・非難)。
32 重要な試験を( )、彼は寝る間も惜しんで勉強した。
正解 ③ 「〜を控えて」=(行事などが)目前に迫った状況で。
33 相手が子供( )、危険な行為を見過ごすわけにはいかない。
正解 ② 「〜といえども」=〜であっても。
34 あの几帳面な彼が連絡を忘れるとは、よほどのことがあった( )。
① にすぎない ② おそれがある ③ きらいがある ④ に違いない 正解 ④ 「〜に違いない」=きっと〜だ(強い推量)。
35 環境問題は、一国だけで解決できる( )。
① ものではない ② ことはない ③ どころではない ④ わけがない 正解 ① 「〜ものではない」=そういう性質のものではない。
問題6 つぎの文の ★ に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
36 彼が成功したのは、人一倍 __ __ ★ __ 。
1 からに2 惜しまなかった3 ほかならない4 努力を
正解 ① 正:努力を惜しまなかったからにほかならない。★=「からに」。
37 __ __ ★ __ 私の決意は変わらない。
1 ようと2 たとえ3 反対され4 どんなに
正解 ③ 正:たとえどんなに反対されようと私の決意は変わらない。★=「反対され」。
38 彼は __ ★ __ __ 相談に乗ってくれた。
1 忙しい2 のも3 かまわず4 自分が
正解 ① 正:自分が忙しいのもかまわず相談に乗ってくれた。★=「忙しい」。
39 この問題については __ __ __ ★ 結論を出した。
1 議論を2 末に3 重ねた4 何度も
正解 ② 正:何度も議論を重ねた末に結論を出した。★=「末に」。
40 彼の作品は __ __ ★ __ 味わいがある。
1 見れば2 ほど3 見る4 深い
正解 ② 正:見れば見るほど深い味わいがある。★=「ほど」。
問題7 つぎの文章を読んで、文章全体の趣旨を踏まえて、(41)から(45)に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
紙の本と電子書籍 近年、電子書籍の普及により、人々の読書のスタイルは大きく変わりつつある。かつては紙の本を手に取ることが当たり前だった。( 41 )、今では画面上で文字を追う人も少なくない。
電子書籍には多くの利点がある。何百冊もの本を一台の端末に収められる( 42 )、文字の大きさも自由に変えられて便利だ。視力の衰えた高齢者にとって、この機能は( 43 )ありがたいものだろう。
( 44 )、紙の本ならではの魅力を主張する人も依然として多い。ページをめくる感触や、本棚に並ぶ背表紙を眺める喜びは、電子書籍では味わえないというのだ。
結局のところ、どちらが優れているか( 45 )。読み手が自分の生活や好みに合った方法を選べばよいのである。
41 (41)
正解 ① 「かつては〜/今では〜」の対比。逆接の「しかし」。
42 (42)
正解 ② 利点の列挙。添加の「〜うえに」。
43 (43)
正解 ① 「さぞ〜だろう」=きっと〜だろう(推量)。
44 (44)
正解 ③ 前段の電子書籍擁護と対比して紙の本擁護を導く。「その一方で」。
45 (45)
① は言うまでもない ② は一概には言えない ③ とは限らない ④ に相違ない 正解 ② 最終段の「好みに合った方を選べばよい」に対応。「一概には言えない」。
問題8 つぎの(1)から(4)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
(1) 効率を追い求めるあまり、私たちはしばしば大切なものを見失う。無駄に思える時間こそが、実は新しい発想を生む土壌となることがある。何の目的もなく散歩をしたり、ぼんやりと空を眺めたりする時間は、一見すると無意味に見えるかもしれない。しかし、そうした余白のある時間がなければ、心は休まらず、創造性もやがて枯れてしまうのではないだろうか。
46 筆者の考えに最も近いものはどれか。
① 効率を徹底して追求することが創造性を高める ② 無駄に見える時間は完全に排除すべきだ ③ 目的のない時間が創造性を育むことがある ④ 散歩は時間の無駄なので避けるべきだ 正解 ③ 「無駄に思える時間こそが新しい発想を生む土壌」が主旨。
(2) 社員各位
このたび、在宅勤務制度を試験的に導入することになりました。来月から三か月間、希望者は週に二日まで自宅で勤務できます。ただし、業務の都合上、部署によっては利用できない場合があります。希望する方は、今週金曜日までに各部署の責任者に申し出てください。なお、本制度は試験期間終了後、継続するかどうかを改めて検討します。
47 この文書の内容と合っているものはどれか。
① 全社員が必ず在宅勤務をしなければならない ② 部署によっては在宅勤務ができないことがある ③ 在宅勤務は週に三日まで認められる ④ 希望者は来月までに申し出ればよい 正解 ② 「部署によっては利用できない場合がある」と明記。週二日まで/今週金曜までが正しい。
(3) 言葉は時代とともに変化するものであり、「乱れ」と批判される表現も、やがては正しいものとして定着していくことが多い。だからといって、どんな変化も無条件に認めるべきだというわけではない。重要なのは、その表現が意思の伝達を妨げていないかどうかである。意味が正確に伝わる限り、変化を過度に恐れる必要はないだろう。
48 筆者の主張として最も適切なものはどれか。
① 言葉の変化はすべて無条件に受け入れるべきだ ② 言葉の乱れはすべて厳しく正すべきだ ③ 意味が正しく伝わるなら言葉の変化を恐れる必要はない ④ 新しい表現は使うべきではない 正解 ③ 「意思の伝達を妨げない限り、変化を過度に恐れる必要はない」が主旨。
(4) 失敗を恐れる人は多いが、失敗そのものが問題なのではない。問題は、失敗から何も学ばないことだ。同じ過ちを繰り返してしまうのは、失敗を真剣に振り返ろうとしないからである。むしろ、一度の失敗を徹底的に分析し、次に生かすことができれば、その失敗はかけがえのない財産となるはずだ。
49 筆者が最も言いたいことは何か。
① 失敗は決してしてはならない ② 失敗から学べば失敗は価値あるものになる ③ 失敗をいちいち振り返る必要はない ④ 失敗を繰り返すことはむしろ良いことだ 正解 ② 失敗を分析し次に生かせば「財産」になる、が主旨。
問題9 つぎの文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
(1) 現代社会では、SNSを通じて誰とでも簡単につながることができるようになった。遠く離れた相手とも瞬時に言葉を交わせるのは、確かに便利である。しかし、その手軽さの裏で、私たちは何か大切なものを失っているのではないかと感じることがある。
対面の会話では、相手の表情や声の調子、わずかな沈黙までもが意味を持つ。私たちはそうした言葉以外の情報を無意識のうちに読み取り、相手の気持ちを察している。ところが、文字だけのやり取りでは、こうした繊細な情報がそぎ落とされてしまう。その結果、誤解が生じやすくなり、ときには思わぬ対立を招くことさえある。
もちろん、SNSそのものが悪いと言いたいわけではない。問題は、それを使う私たちが、便利さに慣れるあまり、対面のコミュニケーションが持つ価値を忘れてしまうことにある。道具はあくまで道具であり、それをどう使うかは、結局のところ私たち自身にかかっているのだ。
50 筆者によると、対面の会話の特徴は何か。
① 言葉だけで気持ちを正確に伝えられる ② 言葉以外の情報から相手の気持ちを察することができる ③ 誤解がいっさい生じない ④ 遠く離れた相手とも瞬時につながれる 正解 ② 表情・声の調子・沈黙など「言葉以外の情報」を読み取れる点が特徴。
51 文字だけのやり取りについて、筆者はどう述べているか。
① 繊細な情報が失われ、誤解を生みやすい ② 対面より気持ちが正確に伝わる ③ 沈黙の意味までよく伝わる ④ 対立を未然に防ぐ効果がある 正解 ① 「繊細な情報がそぎ落とされ、誤解が生じやすい」と述べている。
52 筆者が最も言いたいことは何か。
① SNSはもう使うべきではない ② SNSは対面の会話より優れている ③ 道具をどう使うかは使う人自身にかかっている ④ 便利な道具ほど価値が高い 正解 ③ 最終段「道具をどう使うかは私たち自身にかかっている」が結論。
(2) 何かを学ぶとき、最も危険なのは「わかったつもり」になることだ。一度理解したと思い込むと、人はそれ以上深く考えることをやめてしまう。しかし、本当に深く理解している人ほど、自分の理解がまだ不十分であることを自覚しているものだ。
ある分野の専門家が、しばしば断定的な物言いを避けるのは、知識が足りないからではない。むしろ、その分野の奥深さや、いまだ解明されていない部分の多さを、誰よりもよく知っているからである。彼らにとって、「わからない」と正直に認めることは、決して恥ずべきことではなく、誠実さの表れなのだ。
逆に、わずかな知識しか持たない者ほど、自信に満ちた断定を口にしがちである。知らないがゆえに、かえって自分の理解の限界に気づくことができないのだ。学びにおいて謙虚であり続けることが、いかに難しく、また重要であるかを、私たちは忘れてはならない。
53 「わかったつもり」が危険なのはなぜか。
① 理解が浅いと人に恥をかかされるから ② それ以上深く考えることをやめてしまうから ③ 専門家に笑われてしまうから ④ 知識が増えすぎてしまうから 正解 ② 「思い込むと、それ以上考えることをやめてしまう」とある。
54 専門家が断定的な物言いを避けるのは、なぜだと筆者は述べているか。
① 知識が足りず自信がないから ② 責任を取りたくないから ③ その分野の奥深さや未解明の部分をよく知っているから ④ 他人と対立したくないから 正解 ③ 奥深さ・未解明の部分の多さを知っているからこそ断定を避ける。
55 この文章で筆者が伝えたいことは何か。
① 専門家の意見は信用できない ② 自信を持って断定することが大切だ ③ 学びにおいては謙虚であり続けることが重要だ ④ 知識は多ければ多いほどよい 正解 ③ 最終段「学びにおいて謙虚であり続けることが重要」が主旨。
(3) 私たちはいつの間にか、ものを大切にすることを忘れてしまったのかもしれない。少し古くなれば買い替え、少し汚れれば捨てる。新しいものを次々と手に入れることが、まるで豊かさの証であるかのように考えられている。
しかし、本当の豊かさとは、たくさんのものを所有することなのだろうか。かつて人々は、一つのものを修理しながら長く使い続けた。そこには、ものに対する愛着や、作り手への敬意があった。使い込まれた道具には、新品にはない味わいや、持ち主の記憶が宿っていたのである。
大量に生産し、大量に消費し、大量に捨てる。この仕組みが地球環境に与える負荷は、もはや無視できないほど大きい。私たちは今こそ、ものとの付き合い方を根本から見直す時期に来ているのではないか。一つのものを長く大切に使うこと——それは決して時代遅れの考えなどではなく、これからの時代にこそ求められる知恵なのである。
56 筆者によると、現代の「豊かさ」の考え方とはどのようなものか。
① 新しいものを次々と手に入れること ② ものを修理しながら長く使うこと ③ ものへの愛着を大切にすること ④ 環境への負荷を減らすこと 正解 ① 「新しいものを次々と手に入れることが豊かさの証」とされている、と述べる。
57 使い込まれた道具について、筆者はどう述べているか。
① 新品より価値がない ② 新品にはない味わいや記憶が宿っている ③ 修理する必要がまったくない ④ すでに時代遅れである 正解 ② 「新品にはない味わいや、持ち主の記憶が宿っていた」とある。
58 筆者の主張として最も適切なものはどれか。
① 大量消費こそが本当の豊かさである ② 古いものはすべて捨てるべきだ ③ ものを長く大切に使うことがこれからの知恵だ ④ 修理はもはや時代遅れの考えだ 正解 ③ 結論は「長く大切に使うことがこれからの時代に求められる知恵」。
問題10 つぎの文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
独創性とは何か 独創的であることが、現代ほど称賛される時代はないだろう。誰も思いつかなかったアイデア、前例のない表現、これまでにない発想——そうしたものに私たちは価値を見いだし、強く憧れる。しかし、独創性とは、本当に無から生み出されるものなのだろうか。
歴史を振り返れば、偉大な業績とされるものの多くは、実は先人の仕事の上に築かれている。ある画家は過去の巨匠の技法を徹底的に模倣することから出発し、ある作曲家は伝統的な様式を学び尽くした末に、独自の世界を切り開いた。彼らは決して、ゼロから何かを生み出したわけではない。むしろ、膨大な蓄積を吸収し、それを自分なりに組み合わせ、発展させたのである。
つまり独創性とは、既存のものを無視して生まれるのではなく、既存のものを深く理解した上で、そこに新しい意味を与えることなのだ。模倣を恐れる必要はない。むしろ、優れた模倣こそが、独創への第一歩となる。学ぶことなくして、創造はありえないのである。
ところが近年は、「自分らしさ」や「個性」がことさら強調されるあまり、基礎を地道に学ぶことを軽視する風潮が見られる。型を学ばずに、いきなり「型破り」になろうとするのだ。だが、破るべき型を知らない者に、型を破ることはできない。基礎の習得という地道な努力を経てこそ、真の独創性は花開くのである。
独創性とは、天から授かる特別な才能などではない。それは、先人から学び、努力を積み重ねた者にのみ与えられる、いわば報酬のようなものなのかもしれない。
59 筆者によると、偉大な業績の多くはどのようにして生まれたか。
① 何の知識もない状態から突然生まれた ② 先人の仕事を土台として築かれた ③ 他者の影響を完全に排除して生まれた ④ まったくの偶然によって生まれた 正解 ② 「先人の仕事の上に築かれている」「膨大な蓄積を吸収した」とある。
60 筆者は「独創性」をどのようなものだと考えているか。
① 既存のものを無視することで生まれるもの ② 生まれつきの特別な才能 ③ 既存のものを深く理解した上で新しい意味を与えること ④ 一切の模倣を避けること 正解 ③ 「既存のものを深く理解した上で新しい意味を与えること」と定義している。
61 「破るべき型を知らない者に、型を破ることはできない」とあるが、どういうことか。
① 基礎を学ばなければ真の独創性は生まれないということ ② 型は決して破ってはいけないということ ③ 個性はまったく重要ではないということ ④ 模倣は常に悪いことだということ 正解 ① 基礎(型)の習得を経てこそ独創が生まれる、という主旨の比喩。
62 この文章で筆者が最も伝えたいことは何か。
① 独創性は天から授かる才能である ② 何より自分らしさを優先すべきだ ③ 基礎を学び努力を重ねることで真の独創性が生まれる ④ 模倣は創造の妨げになる 正解 ③ 全体を通じ「学び・努力の積み重ねが独創を生む」が主旨。
問題11 つぎのAとBは、子供にスマートフォンを持たせることについての異なる意見である。二つの文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
AとBの意見 A
子供に早くからスマートフォンを持たせることに、私は賛成だ。現代社会において、デジタル機器を使いこなす能力は不可欠である。幼いうちから慣れ親しんでおけば、自然とその扱いに習熟していく。また、いつでも連絡が取れることは、安全面でも大きな安心となる。危険だからと遠ざけるのではなく、正しい使い方を早くから教えることこそ、これからの教育に求められる姿勢ではないだろうか。
B
スマートフォンが便利な道具であることは認める。しかし、子供に与えるのはあくまで慎重であるべきだ。判断力が十分に育っていない時期に無制限に使わせれば、有害な情報に触れたり、依存に陥ったりする危険がある。何より、画面に向かう時間が増えれば、外で体を動かしたり、友達と直接遊んだりする貴重な経験が失われてしまう。便利さの代償は、決して小さくないのだ。
63 子供にスマートフォンを持たせることについて、AとBはどのように述べているか。
① AもBも全面的に賛成している ② AもBも全面的に反対している ③ Aは賛成し、Bは慎重な立場をとっている ④ Aは反対し、Bは賛成している 正解 ③ Aは賛成、Bは「便利さは認めるが慎重であるべき」と慎重論。
64 AとBに共通している考えは何か。
① スマートフォンは子供にまったく必要ない ② スマートフォンは便利な道具である ③ 子供にスマートフォンを与えるべきではない ④ 安全のための連絡手段が最優先である 正解 ② Aは「便利」、Bも「便利な道具であることは認める」と一致。
問題12 つぎの文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
「速さ」をめぐって 「速い」ことは、いつから無条件に「良い」ことになったのだろうか。私たちの社会では、何事も速ければ速いほど価値があるとされる。仕事は迅速にこなすべきだとされ、移動は短時間であるほど望ましいとされる。情報は瞬時に手に入り、料理さえ数分で完成することが求められる。効率と速度を追い求める姿勢は、もはや疑う余地のない正しさとして、私たちの生活に深く根を下ろしている。
しかし、ここで立ち止まって考えてみたい。速さによって、私たちは本当に豊かになったのだろうか。確かに、多くのことが短時間でできるようになった。だが、その分だけ生まれたはずの「余った時間」を、私たちは結局、別の用事で埋め尽くしてしまってはいないだろうか。一つの作業が速く終われば、すぐに次の作業が待っている。こうして心の余裕はかえって失われ、私たちは以前にも増して、時間に追われるようになっているように思える。
そもそも、価値あるものの多くは、時間をかけてこそ生まれる。人と人との信頼関係は、長い時間をともに過ごすなかで少しずつ育まれていく。深い思索は、急いで結論を出すことからは決して生まれない。じっくり熟成された酒や、丁寧に作り込まれた工芸品が私たちの心を打つのは、そこに費やされた時間の重みが感じられるからだ。速さでは決して代えられない価値が、この世には確かに存在する。
もちろん、速さそのものを否定するつもりはない。速さが必要な場面は数多くあるし、その恩恵は計り知れない。問題は、速さばかりを絶対的な価値とみなし、ゆっくりと時間をかけることの意味を見失ってしまうことにある。時には、あえて立ち止まり、ゆっくりと歩いてみる。そうした「遅さ」の中にこそ、速さでは決して得られない豊かさが隠されているのではないだろうか。
65 筆者は、現代社会における「速さ」をどのようなものとして捉えているか。
① 疑う余地のない正しさとして生活に根づいている ② 一部の人だけが過剰に重視している ③ すでに価値を失いつつある ④ 多くの人が否定し始めている 正解 ① 第一段落「疑う余地のない正しさとして深く根を下ろしている」。
66 速さによって生まれた「余った時間」について、筆者はどう述べているか。
① 心の余裕を生み出している ② 別の用事で埋め尽くされ、かえって時間に追われている ③ もっぱら趣味に使われている ④ 十分に有効活用されている 正解 ② 「別の用事で埋め尽くし、かえって時間に追われている」と指摘。
67 筆者が「時間をかけてこそ生まれる」ものの例として挙げているのはどれか。
① 迅速にこなす仕事 ② 短時間での移動 ③ 人との信頼関係や深い思索 ④ 瞬時に手に入る情報 正解 ③ 信頼関係・深い思索・熟成された酒・工芸品を例に挙げている。
68 この文章で筆者が最も訴えたいことは何か。
① 速さは常に否定されるべきだ ② 速さこそが豊かさをもたらす ③ 「遅さ」の中にも速さでは得られない豊かさがある ④ 効率をどこまでも追求し続けるべきだ 正解 ③ 結論は「遅さの中にこそ速さでは得られない豊かさがある」。速さ自体は否定していない点に注意。
問題13 右のページは、さくら市民センターの春の講座の案内である。下の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
さくら市民センター 春の講座のご案内 【講座一覧】
A 初心者向け陶芸教室:毎週火曜 10:00〜12:00/全8回/受講料8,000円/定員15名
B デジタル写真講座:毎週木曜 14:00〜16:00/全6回/受講料6,000円/定員10名/※デジタルカメラまたはスマートフォンをお持ちの方
C 健康ヨガ教室:毎週水曜 19:00〜20:30/全10回/受講料10,000円/定員20名
D 親子料理教室:第2・第4土曜 10:00〜12:00/全4回/受講料 親子1組5,000円/定員8組/※小学生のお子様と保護者が対象
【申し込み方法】
・受付期間:3月1日〜3月20日
・申し込みは、当センター窓口またはホームページから。電話でのお申し込みは受け付けておりません。
・各講座とも、申込者が定員を超えた場合は抽選となります。
・受講料は、初回講座日にお支払いください。
・キャンセルは講座開始日の3日前までにご連絡ください。それ以降のキャンセルは、受講料の半額をご負担いただきます。
69 会社員の田中さんは、平日の夜に通うことができ、受講料が1万円以内の講座を希望している。田中さんの条件に合う講座はどれか。
正解 ③ 平日の夜=C(水曜19:00〜)。受講料10,000円で「1万円以内」に収まる。Aは火曜午前、Bは木曜午後、Dは土曜。
70 申し込みやキャンセルについて、この案内の内容と合っているものはどれか。
① 電話でも申し込むことができる ② 受講料は申し込み時に支払う ③ 講座開始の前日にキャンセルすれば料金はかからない ④ 申込者が定員を超えた場合は抽選で決まる 正解 ④ 電話受付なし/受講料は初回講座日/前日キャンセルは半額負担。抽選の記述のみ案内と一致。