日本語能力試験 N2
JLPT N2 模擬試験 #H1
Japanese-Language Proficiency Test · Practice
Language Knowledge — Vocabulary
言語知識(文字・語彙)
制限時間の目安 35分
問題1 __のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
1彼の発言は、会議の趣旨から大きく外れていた。
正解 ② 趣旨=しゅし。話や文章で伝えようとしている中心の考え。
2長年の点検の怠慢が、今回の事故を招いたと言われている。
正解 ③ 怠慢=たいまん。なすべきことをなまけて行わないこと。
3古い倉庫を改装して、カフェとして使うことになった。
正解 ① 改装=かいそう。建物の内装・外装を新しくすること。「改造(かいぞう)」と混同しない。
4周囲に促されて、彼はしぶしぶ壇上に上がった。
正解 ④ 促す=うながす。相手が行動するように仕向けること。
5この二つの薬は名前が紛らわしいので、確認を徹底してください。
正解 ① 紛らわしい=まぎらわしい。似ていて区別しにくい。「煩わしい(わずらわしい)」とは別の語。
問題2 __のことばを漢字で書くとき、最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
6展示会の会場のせつえいは、前日の夜から始まった。
正解 ② 設営=せつえい。会場などを準備して整えること。
7今年の損失は、来年度の利益でおぎなう予定だ。
正解 ① 補う=おぎなう。足りない部分を満たすこと。
8来年度は、広告費を大幅にけずることになった。
正解 ③ 削る=けずる。予算・時間などを減らす。
9年末年始はきせいラッシュで、新幹線は満席が続く。
正解 ④ 帰省=きせい。故郷に帰ること。同音の「規制」「既成」に注意。
10彼は自分のあやまちを素直に認め、関係者に頭を下げた。
正解 ③ 過ち=あやまち。失敗・間違った行い。動詞「誤る」と混同しやすい。
問題3 ( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
11いくら理想を語っても、この計画は( )現実的だと言わざるを得ない。
正解 ③ 非現実的=現実に合っていない。「不」「無」「未」はこの語には付かない。
12今年の売り上げは、前年( )で二割増加した。
正解 ② 前年比=前年と比べた割合。
13経済( )の理由から、大学院への進学を断念した。
正解 ③ 経済上=経済の面において。「〜上の理由」の形。
14この券は使用( )ですので、再度お使いになることはできません。
正解 ③ 使用済み=すでに使ってある状態。「期限切れ」は別の意味。
15彼女は世界的に知られる( )一流のピアニストだ。
正解 ② 超一流=一流をはるかに超えるレベル。
問題4 ( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
16彼の説明は( )としていて、結局何が言いたいのか分からなかった。
正解 ③ 漠然とした=ぼんやりしてはっきりしない。
17半年に及ぶ交渉の末、両社はようやく( )に達した。
正解 ② 合意に達する=双方の意見が一致する。「同意する」「納得する」は「達する」と結びつかない。
18風邪をひいたのに無理をして出勤し、結局( )しまった。
正解 ④ 風邪をこじらせる=病気を悪化させて長引かせる。
19新しい部長は、部下の意見にも( )耳を傾けてくれる。
正解 ③ 素直に耳を傾ける=反発せず、そのまま受け入れる態度で聞く。
20彼女は前回の失敗を( )、すぐに次の準備に取りかかった。
正解 ① 失敗を引きずる=過去の出来事の影響を長く受け続ける。
21不況が続き、あの老舗も経営が( )らしい。
正解 ③ 行き詰まる=先に進めなくなる。経営・研究・交渉などに使う。
22彼は( )な性格で、小さな失敗をいつまでも気にしている。
正解 ② 神経質=些細なことを気にしすぎる性質。「几帳面」は細かく正確に物事を行う性質。
問題5 __のことばに意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
23工事はおおむね予定どおりに進んでいる。
正解 ② おおむね=だいたい、ほぼ。
24面接の間、彼はしきりに時計を気にしていた。
正解 ① しきりに=何度も繰り返して。
25あいにく、その日は先約がありまして。
正解 ③ あいにく=都合が悪いことに、残念ながら。
26飛んできたボールを、彼はとっさによけた。
正解 ④ とっさに=考える間もなく、一瞬で。
27彼は給料が安いとぼやいてばかりいる。
正解 ② ぼやく=ぶつぶつ不平・不満を言う。
問題6 次のことばの使い方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
28打ち消す
正解 ② 打ち消す=うわさ・発言などを否定する。約束は「取り消す」、火は「消す」。
29差し支える
正解 ③ 差し支える=何かをするうえで都合の悪い影響が出る。「仕事に差し支える」の形。
30ゆとり
正解 ④ ゆとり=余裕。「時間にゆとりを持つ」「生活にゆとりがある」。
31もたらす
正解 ② もたらす=結果・影響・利益などを引き起こす。物を運ぶ意味では使わない。
32あらかじめ
正解 ④ あらかじめ=前もって。これから起こることに備える場合に使う。
Language Knowledge (Grammar) & Reading
言語知識(文法)・読解
制限時間の目安 70分
問題1 つぎの文の( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
33あの店のケーキは評判( )のことはあって、並んででも買う価値がある。
正解 ② 〜だけのことはあって=〜にふさわしく、期待どおりに。
34一言余計なことを言った( )、彼女をすっかり怒らせてしまった。
正解 ② 〜ばかりに=〜のせいで(悪い結果)。
35一度引き受けた( )、途中で投げ出すわけにはいかない。
正解 ① 〜からには=〜した以上は当然。
36彼は英語( )、中国語も韓国語も自在に操る。
正解 ③ 〜はもとより=〜は言うまでもなく。「どころか」は前を否定する流れになる。
37たとえ結果が出なかった( )、挑戦したこと自体に意味がある。
正解 ② たとえ〜としても=仮に〜でも。
38初心者( )、なかなか見事な出来だ。
正解 ④ 〜にしては=〜という前提から予想されるのと違って。「わりに」は「の」が必要。
39駅前に大型スーパーができて( )、商店街は客が減る一方だ。
正解 ① 〜て以来=〜してからずっと。
40あれだけ練習を重ねたのだから、優勝でき( )。
正解 ② 〜ないはずがない=きっと〜する。強い確信。
41その件につきましては、私の立場からは申し上げ( )。
正解 ③ 〜かねます=(立場上)〜できない。丁寧な断りの表現。
42引っ越し( )、資格試験( )で、今月は息をつく暇もない。
正解 ③ 〜やら〜やら=いろいろあって大変だという列挙。
43今回の失敗は、彼一人の責任( )。全員で受け止めるべきだ。
正解 ② 〜というものではない=一概に〜とは言えない。
44指導教授と何度も相談した( )、留学の時期を一年遅らせることにした。
正解 ③ 〜た上で=〜してから、それを踏まえて。
問題2 つぎの文の ★ に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
45彼女は __ __ ★ __ 見せない。
1 つらくても2 どんなに3 人前では4 涙を
正解 ④ 正:彼女はどんなにつらくても涙を人前では見せない。★=「涙を」。
46この薬は __ __ ★ __ 飲んでください。
1 指示に2 食後に3 従って4 医師の
正解 ③ 正:この薬は医師の指示に従って食後に飲んでください。★=「従って」。
47__ __ ★ __ 、彼は今や誰もが知る存在だ。
1 機に2 出演したのを3 テレビに4 注目され
正解 ① 正:テレビに出演したのを機に注目され、彼は今や誰もが知る存在だ。★=「機に」。「〜を機に」の形。
48新しい制度は __ __ ★ __ ある。
1 なるおそれが2 一部の3 不利に4 人にとって
正解 ③ 正:新しい制度は一部の人にとって不利になるおそれがある。★=「不利に」。
49彼の __ __ ★ __ 、誰も反対しなかった。
1 ので2 提案が3 あまりに4 もっともだった
正解 ④ 正:彼の提案があまりにもっともだったので、誰も反対しなかった。★=「もっともだった」。
問題3 つぎの文章を読んで、文章全体の内容を考えて、(50)から(54)の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
方言と私東京の大学に進学して最初の一年、私は自分の話し方をずっと気にしていた。授業中に発言する( 50 )、語尾のイントネーションが周囲と違うことが気になり、必死に標準語に直そうとした。ところが、努力すればするほど言葉が口から出にくくなり、話すこと自体が億劫になっていった。
転機は二年生の夏だった。同じ地方出身の先輩と偶然知り合い、久しぶりに方言で話したときのことである。言いたいことが、考える前に口から出てくる。その感覚が、あまりに気持ちよかった。私は( 51 )、言葉というものは正しさよりも先に、自分の体に馴染んでいるかどうかなのだと思い知った。
今では、場面によって言葉を使い分けている。発表や面接では標準語を使うが、友人との会話では方言が混じっても気にしない。使い分けと( 52 )、無理に隠すこととは違う。( 53 )、方言は私の一部であり、消すべき欠点ではないと思えるようになったからだ。
方言を恥じていたころの私は、周りと同じになること( 54 )安心できると信じていた。しかし本当の安心は、自分の言葉で話せることの中にあったのだ。
50(50)
正解 ② 発言するたびに気になる=毎回。「〜たびに」。
51(51)
正解 ③ 先輩と話した経験が気づきのきっかけ。「このとき初めて〜と思い知った」。
52(52)
正解 ④ 「使い分けというのは、〜とは違う」。話題を取り上げて説明する形。
53(53)
正解 ② 後ろの「〜からだ」と呼応して理由を述べる「というのも」。
54(54)
正解 ③ 「同じになることで安心できる」=手段・理由を表す「で」。
問題4 次の(1)から(5)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
(1)「忙しい」という言葉を、私はなるべく使わないようにしている。忙しいと口にした瞬間、目の前の仕事は「片づけるべきもの」に変わってしまう気がするからだ。実際には、やることの量は変わらない。変わるのは、それに向かう自分の姿勢である。同じ一時間でも、追われていると感じながら過ごすのと、選んでやっていると感じながら過ごすのとでは、終わったあとの疲れ方がまるで違う。
55筆者が「忙しい」と言わないようにしているのはなぜか。
正解 ③ 「口にした瞬間、仕事が片づけるべきものに変わる」=言葉が姿勢を変える。
(2)各位
お世話になっております。総務部の松原です。
来月より、会議室の予約方法が変わります。これまでは受付に置かれた用紙に記入していただいておりましたが、10月1日以降は社内システムからの予約のみとなります。用紙による予約は9月30日をもって受け付けを終了いたしますので、10月以降の利用分については、すでに記入済みのものも含め、システムで改めて登録をお願いいたします。
なお、システムの操作方法については、来週火曜日に説明会を行います。参加できない方には資料を配布いたします。
56このメールで最も伝えたいことは何か。
正解 ① 「すでに記入済みのものも含め、システムで改めて登録を」が核心。
(3)子どもの「なぜ」に、大人はつい正解を答えようとする。だが、子どもが本当に求めているのは答えそのものではないことが多い。「どうしてだと思う?」と問い返すと、子どもは驚くほど長く考え、時にはこちらが思いつかないような説明をひねり出す。その説明が科学的に間違っていても構わない。自分の頭で筋道を立てる経験のほうが、正しい知識を一つ受け取ることより、ずっと後まで残るからだ。
57筆者の考えに合うものはどれか。
正解 ④ 最終文「筋道を立てる経験のほうが〜ずっと後まで残る」。
(4)利用者の皆様へ
図書館の駐輪場は、来月から整理券制になります。入口の発券機で整理券をお取りいただき、出庫の際に返却口へお入れください。整理券をなくされた場合は、カウンターで身分証を提示のうえ、所定の手続きが必要となります。なお、三時間を超えて駐輪された場合は、超過時間に応じた料金をいただきます。閉館後も駐輪されている自転車は、翌日カウンターでお引き取りください。
58この文書の内容と合っているものはどれか。
正解 ② 三時間以内でも整理券は必要。自転車の引き取りは翌日。整理券は発券機。
(5)企業が新しい商品を出すとき、失敗を恐れるあまり、既存の商品に少し手を加えただけのものを出す傾向がある。確かにそのほうが安全だ。しかし、消費者の側から見れば「前と何が違うのか」がわからず、結局手に取らない。小さな改良を積み重ねることは大切だが、それを「新商品」として売り出すなら、違いが一目でわかる工夫がなければ、慎重さはかえって売り上げを損なうことになる。
59筆者は「慎重さはかえって売り上げを損なう」と述べているが、それはどのような場合か。
正解 ③ 「違いが一目でわかる工夫がなければ」=違いが伝わらない場合。
問題5 次の(1)から(3)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
(1) 紙の地図スマートフォンの地図アプリが普及して、道に迷うことはほとんどなくなった。目的地を入力すれば、現在地から最短の経路が示され、曲がる場所ではその都度指示が出る。便利であることは疑いようがない。それなのに私は、初めて訪れる町では紙の地図を広げるようにしている。
理由の一つは、全体が見えることだ。画面の地図は、拡大すれば細かい通りまで見えるが、そのぶん周囲との関係は見えなくなる。紙の地図は、駅と川と目的地がどう並んでいるかを一目で示してくれる。①これは、方向感覚を養ううえで意外に大きな違いを生む。
もう一つは、迷うことが許されることだ。アプリは迷いを許さない。少しでも経路から外れると、すぐに修正を求めてくる。紙の地図を持って歩いていると、目印を探し、時には間違えて引き返す。その過程で、通りの名前や角の店を覚える。目的地に着いたときには、その町の輪郭が体の中に残っている。
もちろん、急いでいるときや夜道ではアプリに頼る。道具を否定したいわけではない。ただ、②目的地に着くことだけが目的ではない旅では、少し不便な道具のほうが、町との付き合いを深くしてくれるように思うのだ。
60①「これ」とは何を指すか。
正解 ② 直前の「駅と川と目的地がどう並んでいるかを一目で示す」を受けている。
61筆者は、紙の地図を持って歩くとどうなると言っているか。
正解 ④ 「その過程で〜覚える」「町の輪郭が体の中に残っている」。
62②「目的地に着くことだけが目的ではない旅」について、筆者の考えに合うものはどれか。
正解 ① 「道具を否定したいわけではない」ので2は誤り。不便な道具が町との付き合いを深める。
(2) 締め切りのある生活フリーランスとして働き始めて三年になる。会社員時代は、締め切りというものが嫌いだった。上から一方的に決められた期限に追われ、常に何かに遅れているような気がしていたからだ。独立すれば、自分のペースで仕事ができる。そう思っていた。
ところが、独立して最初の半年、私はほとんど何も仕上げられなかった。時間はいくらでもあった。それが問題だった。「いつでもできる」ことは「今やらなくてもいい」ことと同じで、気がつくと一日が終わっている。締め切りがないと、仕事は始まりも終わりもしないのだと、そのとき初めてわかった。
今は、依頼主が期限を設けない仕事でも、自分で締め切りを決めて相手に伝えるようにしている。他人に宣言してしまえば、それは自分だけの約束ではなくなる。不思議なことに、自分で決めた締め切りは、会社員時代のそれとは全く違って感じられる。追われている感覚がないのだ。
締め切りが嫌だったのではなく、それを決めるのが自分ではないことが嫌だったのだと、今は思う。制約は、誰が置いたかによって、重荷にも道しるべにもなる。
63会社員時代、筆者が締め切りを嫌っていたのはなぜか。
正解 ③ 「上から一方的に決められた期限に追われ」+最終段落「決めるのが自分ではないことが嫌だった」。
64独立して最初の半年、筆者はどうだったか。
正解 ① 「時間はいくらでもあった。それが問題だった」。依頼が少なかったとは書かれていない。
65この文章で筆者が最も言いたいことは何か。
正解 ② 最終文「制約は、誰が置いたかによって、重荷にも道しるべにもなる」。
(3) わかりやすさ近ごろ、「わかりやすい」ことが何よりも重視されるようになった。本でも講演でも、専門用語を避け、図を多用し、三分で要点がつかめるように作られている。私自身、そうした工夫を否定するつもりはない。難しいことを難しいまま伝えるのは、伝え手の怠慢であることも多いからだ。
だが一方で、わかりやすく説明された内容を受け取った人が、①その先へ進まなくなる現象も目にする。要点だけを手にした人は、それで全体を理解したつもりになる。細部に潜む例外や、結論に至るまでの迷いは、要約の過程で削り落とされているのだが、受け取る側にはその削られた部分が見えない。
本来、わかりやすい説明とは入口であって、出口ではない。入口が広ければ多くの人が入ってこられる。しかし、入ったところで満足して立ち止まってしまえば、建物の中に何があるかは永遠にわからないままだ。
伝え手にできることは、要約を渡すときに「ここには書かれていないことがある」と一言添えることだろう。②それは、わかりやすさを損なう行為ではない。むしろ、相手が自分の足で先へ進むための、最初の目印なのだ。
66筆者は「わかりやすい」説明についてどう考えているか。
正解 ④ 第1段落で肯定しつつ、第2段落で「理解したつもりになる」問題を指摘。
67①「その先へ進まなくなる」とはどういうことか。
正解 ① 「要点だけを手にした人は、それで全体を理解したつもりになる」。
68②「それ」はなぜ「わかりやすさを損なう行為ではない」のか。
正解 ③ 「相手が自分の足で先へ進むための、最初の目印」。
問題6 次のAとBの文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
オンライン会議とカメラA
オンライン会議では、カメラをオンにするのが基本だと考えている。表情や頷きが見えることで、話し手は相手の反応を確かめながら話せるし、聞き手も画面に映っている以上、集中せざるを得ない。カメラをオフにした会議は、発言者が暗闇に向かって話しているようなもので、議論が深まりにくい。通信環境や自宅の事情でオンにできない場合もあるだろうが、それは例外として扱い、原則はオンにするというルールを組織で共有したほうがよい。
B
カメラをオンにすることを一律に求めるのには反対だ。映像があれば議論が深まるというのは思い込みで、実際には、発言しない人まで画面に映り続けることで疲労がたまり、かえって集中力が落ちるという報告もある。私の職場では、発言するときだけカメラをオンにし、それ以外はオフでよいことにしている。この方法にしてから、以前より発言が増えた。大事なのは映っているかどうかではなく、発言しやすい空気があるかどうかだ。ルールを決めるなら、映像ではなく発言のしやすさを基準にすべきだろう。
69AとBは、カメラをオンにすることについてどのように述べているか。
正解 ① Aは「原則はオン」、Bは「一律に求めるのには反対」。両者ともルール自体は認めている。
70Bの筆者の職場について、正しいものはどれか。
正解 ③ 「発言するときだけオン」「この方法にしてから発言が増えた」。
問題7 次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
待つということ駅前の小さなパン屋に、開店前から行列ができる。人気があるのは知っていたが、ある朝、私も並んでみた。三十分ほど待って店に入り、焼きたてのパンを買って外に出たとき、妙な満足感があった。パンがおいしかったのは確かだ。だが、それだけではない。待った時間そのものが、そのパンの価値の一部になっていたのである。
この経験から、私は「待つこと」について考えるようになった。現代は待たなくてすむ社会だ。動画は見たいときに見られ、買い物は翌日に届き、返信は数秒で来る。①待ち時間はなくすべき無駄として扱われ、それを減らす技術に企業は競って投資する。
ところが人間の側は、待つことを完全に手放したいわけでもないらしい。数時間並ぶ限定商品、発売日に店の前で待つゲーム、何か月も前から予約する旅行。②これらは、待つことが不要になった社会で、あえて待つことを選んでいる例だ。そこには、待つ時間が期待を育て、手に入れたときの喜びを大きくするという働きがある。
心理学では、報酬を得るまでの間に期待が高まる過程が、報酬そのものと同じくらい快感をもたらすと言われる。子どものころ、遠足の前日の夜がいちばん楽しかったという記憶を持つ人は多いだろう。遠足そのものより、明日を待つ夜のほうが、鮮やかに残っている。
ただし、待つことがつねに喜びになるわけではない。役所の窓口で番号札を握って待つ時間や、遅れた電車を待つ時間には、期待がない。待たされているだけだからだ。同じ三十分でも、自分で選んで待つのと、選ばずに待たされるのとでは、まるで別の経験になる。
だとすれば、私たちが本当に減らしたいのは「待つこと」ではなく「待たされること」なのだろう。技術によって待たされる時間が減ることは歓迎したい。しかし、その一方で、自分から待つ時間まで、効率の名のもとに削ってしまっているのではないか。
パン屋の行列に並びながら、私は久しぶりに、何かを待つ気持ちの心地よさを思い出した。手に入れるまでの時間を楽しむことは、便利さと引き換えに手放してよいものではないと、今は思っている。
71①「待ち時間はなくすべき無駄として扱われ」とあるが、筆者はその背景をどのように説明しているか。
正解 ② 直前の「現代は待たなくてすむ社会だ」以下の具体例が背景。
72②「これら」に見られる「待つこと」の働きとして、筆者はどのようなものを挙げているか。
正解 ④ 「待つ時間が期待を育て、手に入れたときの喜びを大きくする」。
73この文章で筆者が最も言いたいことは何か。
正解 ① 「待たされること」と「待つこと」を区別し、後者は手放すべきでないと結論。2・3は本文と矛盾。
問題8 次は、市民講座の募集案内である。下の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
みどり市 秋の市民講座 受講者募集【講座一覧】
A 初めての陶芸(全4回) 10月の毎週土曜 10:00〜12:00 受講料4,000円 材料費別途2,000円 定員12名
B 家庭でできる和菓子(全2回) 10月11日・18日(土) 13:30〜15:30 受講料2,000円 材料費別途1,500円 定員16名
C 身近な野鳥観察(全3回) 10月5日・12日・19日(日) 8:00〜10:00 受講料1,500円 材料費なし 定員20名 ※双眼鏡は各自持参
D スマートフォン写真入門(全3回) 10月の毎週水曜 19:00〜20:30 受講料2,400円 材料費なし 定員15名
【申し込みについて】
・9月20日(土)〜9月28日(日)に、市民センター窓口または市のホームページからお申し込みください。
・定員を超えた場合は抽選となります。結果は10月1日までにメールまたははがきでお知らせします。
・市内在住・在勤・在学の方が対象です。市外の方は、定員に空きがある場合に限り、10月2日以降に申し込めます(受講料は1.5倍)。
・受講料は初回に会場でお支払いください。材料費は講座の中で講師にお渡しください。
・複数の講座に申し込むことはできますが、日時が重なる講座は選べません。
・キャンセルは初回の3日前までにご連絡ください。それ以降は受講料をいただきます。
74市内に住む田中さんは、土曜日は一日仕事があり、日曜日と平日の夜は空いている。田中さんが受講できる講座の組み合わせはどれか。
正解 ① A・Bは土曜のため不可。Cは日曜朝、Dは水曜夜で日時も重ならない。
75市外に住む山本さんは、Bの講座を受けたいと思っている。正しいものはどれか。
正解 ③ 市外は10月2日以降・空きがある場合のみ、受講料1.5倍(2,000円×1.5=3,000円)。材料費は講座内で講師に渡す。